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カスピ海の対立

supika1


お久しぶりです。すぴかです。

やはり戻ってくることになりました^^

やはり今の管理人の環境ではブログ二つ稼動させるのは無理です。

南東欧に「東欧」のイメージが強い方にはコーカサスや中央アジアのニュースが入るのはとまどうかもしれませんが、もともとこのブログはコーカサスのニュースが主体でした。

中央アジアが新たに加わったのは、コーカサスの地政学的重要性は中央アジアのそれの副産物のようなものだからです。

正直手を出すには広すぎるかなと思ったのですが、実のところ私は中高生時代に中央アジアの騎馬民族の歴史を先行しようと思い個人で勉強してたこともあり、地理にも歴史にもはじめて接するわけではないのでなんとか人様にご説明できる程度になりました。

さらに、今後不安定地域が世界的に拡散する時代になると思われる中、中東にも南アジアにもかかわりのある中央アジアをやることに意義を見出したの言うのもあります。


それにともない、今まで故意に避けてきた南コーカサスのアルメニアやアゼルバイジャンについても書いていこうと思います。

ここに触れると中東にまで手を出さないといけなくなるからなのでしたが、今後中東情勢を無視するわけにもいかなくなり、また中央アジアをやるばあいどうしてもアゼルバイジャンあたりは触れざるを得ません。

まだまだ試行錯誤ですが、これからもよろしくです。


さて、今回はウォーミングアップとして簡単にカスピ海上におけるアゼルバイジャンとトルクメニスタンの対立についてです。

「カスピ海における冷戦の「熱戦」化」

まずお断りしておきたいのは、カスピ海の、特に資源をめぐる争いは複雑です。

ごくごく簡単にあらましを言うと、

冷戦後、この地域において影響力を手放したくないロシアがカスピの共同管理を、その他の沿岸国(トルクメニスタンを除く)は厳密な分割を主張し対立してきました。

その後、1997年にアゼルバイジャンがカスピ海低のキヤパス鉱床をロシアのルクオイルと共同で開発しようとしたとき、トルクメニスタンがキヤパス(トルクメン側呼称「セルダル」)領有を主張し抗議してきたのです。

このとき以来キヤパスの領有権をめぐって両国の間で対立が続き、現ベルディムハメドフ政権になって緊張緩和の期待がかけられたものの、ここ最近キヤパス周辺で両国の警備艇によるいざこざ(武力衝突にまでは至っていない)が起きています。


この件自体は両国の縄張り争いであり、地政学的背景はないと思います。

西側への資源輸送の関門であるアゼルバイジャンにしてみれば、トルクメニスタンが仮に大規模な鉱床を得ようと自身の地政学的重要性(西側にとっても)は変わりません。

例えばカザフスタンの石油(カシャガン)はアゼルバイジャンからグルジアをへてトルコに伸びるBTCパイプラインルートを通って輸送されています。

中央アジアの資源をロシアやイランの影響下にないルートをとるには、ロシアとイランの間の沿岸線を占めるアゼルバイジャンを抜けるしかないのです。

この地政学的環境が変わらない限りアゼルバイジャンがそうした心配をする理由がない。


ただし、周辺諸国の地政戦略がこの問題を複雑にしています。

ロシアは当然非ロシアルートを潰したい(ロシアはキヤパスについて前述のように当初アゼルバイジャン側でしたがのちにトルクメニスタンの肩を持つようになっています)。

さらに、もともと関係の良くないイランとアゼルバイジャンですが(例えばこの記事)、イスラエルがイランとの対抗上アゼルバイジャンに接近しており、イランにとってはアゼルバイジャンが悩ましい。

最近米国のクリントン国務長官が南コーカサス諸国を歴訪したのはこの地政学的状況についての米国の立場を表現したものであると言えるでしょう。

こうした状況下で、トルクメニスタンのカスピ海上戦力は増強されています。


ロシアが南東欧向けに黒海海底を通して天然ガスを輸送する「南ストリーム」構想に対抗するものとして、BTCと同じルートを通りその後ブルガリアから中欧まで通る「ナブッコ」構想がありますが、そのためにトルクメニスタンからの輸送路であるトランスカスピパイプラインの建設が必要とする意見もあり、西側にとってこの件は難しいところです。

中央アジア情勢は、ウズベキスタンがCSTOを脱退するという最近のニュースもあり、目が離せなくなっています。


それでは、今日はこのへんで。
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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

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No title

( ^ω^)こんにちは。

中央アジア諸国もソ連邦から分離したのちここまで来ましたが、独立後のいざこざで諸国が戦争をしなかったことはユーゴを見てきたロシア人からすればとてもよい事だったようです。
分離した国家間での紛争が続いたユーゴとは違いある程度の影響力を残したままCISという縄張りを残せたのはロシアにとってメリットもあったと思います。
カフカズに比べるとまだ安定しています。
ですが、その二つの地域を重ねるとまた問題が出てくるようですね。

カフカズの話になればロシアは特別に北カフカーズ軍管区を設けてここ最近極めて重装備化が進んでいます。特にヘリコプター部隊、航空戦力、通信機器などが重点的に配備されているようです。
オセチアの紛争が政権に与えた影響は著しく、セルジュコフの改革もあって相当の近代化を進めている可能性があります。
影響力の落ちたグルジアに変わってお察しの通り、アゼルバイジャンが台頭していますね。領土を争うアルメニアとのミリタリーバランスはアゼル側に大きく傾いています。
しかし、アルメニアの保護者であるロシアとアゼルバイジャンはゆっくりと関係を修復しています。同国の世襲した大統領がプーチンと合ったのはその意義もあったのでしょう。
逆にガチガチの親露アルメニアはアメリカとの演習に参加するようになり、基本姿勢は変わらずとも変化がありました。

中央アジアの国家同士はいずれもロシアの同盟国なれど互いに対立することもありことはお話にあった通りです。CSTOは軍事機構ですが性質としてはより地域の紛争防止を目的としているとおもいます。
ウズベクは中央アジア随一の人口を誇っていますから周辺国にとっては脅威です。カザフはそれを恐れてか軍事に関してはロシアとべったりのの状況です。
民族紛争のあったキルギスはアメリカが借りたカント基地の撤退をロシアに対して反故にしようとフラフラしており、紛争時、ロシアが介入しなっかたことが逆に不安となっています。
タジクは中国に台所事情を全て握られていますま。また経済についても依存しきっています。ロシアとは軍事施設の駐留について最近揉め事がおこっており、ロシア軍の参謀が話しにならんと言う始末です。しかしながらアフガンから入ってくる麻薬の取締りもあり、この基地の重要性は高いです。

カフカズにせよ中央アジアにせよロシアにとって重要なのは軍事基地以外にもソ連時代の大規模レーダー施設が存在することもあると思います。
最近西部軍管区や東部軍管区に置かれたヴォロネジという新型のレーダーを使った防空網が構築されていますが、南部はアゼルにあるソ連時代のレーダー基地をそのまま使っています。

(;^ω^)トルクに関してはまたもや無知でした。カスピ海に小型コルベットやミサイル艇を配備しているようですね。

この地域に関してはロシアが未だに随一の軍事力をもっています。頼られたり恐れられたり、影響力はおおきいものです。

問題のカスピ海についてはカスピ小艦隊を持っていました。ソ連時代は重要性が低かったので装備も妙なもの(エクラノプラン)が多かった海域でした。
分離後はロシアにとってこの小艦隊がここまで重要になるとは以外でした。
ここもまたカフカーズ軍管区ですので再軍備と近代化が進んでいます。
新型タタルスタン級のステルスコルベットを配備したようで後続艦も起工しているそうです。

一般のロシア人から見ればカザフとキルギスは旧来のロシア影響圏と見ているらしく、より南のウズベクやタジクに関してはあまりこだわりが無いようです。
むしろ外国あつかいでウクライナへの狂信的な縄張り意識とは違いました。

これもネタですが前述した従軍僧侶の件ですが増員が決まったようで、いつの日かモスクワの人事パレードで僧侶の隊列を見れる時が来るかも知れません。

私はロシアからの視点しか知らないので今後もよろしくお願いします。

Re: No title

>ラーダ様

またまたコメントありがとうございます^^
そうそう、ロシア&CISはラーダ様のようにデキる方が多いので書くのに胆力がいるんですよねw
私のバルカン分析力を10とするとCISは5か6くらいなのでまだまだ学ばなければいけないレベルです。
もともとバルカン専攻(15年くらいやってます)なんですけどね、PhD取得過程での指導教授がトルコ国籍の人で、この人はトルコに関係したテーマを学生にやらせる悪癖(?)があり、
私も口車にのせられた感じでコーカサスもやることになったんですよね。
PhD過程のうち2年くらいは新しいややこしい地域で悪戦苦闘してました(苦笑
中央アジアやることになったのはコーカサスを見るに中央アジアを見ないとわからない面があるからです。

えーと、もしfacebookかツイッターの垢お持ちでしたら私の垢お教えしましょうか?
いろいろお話聞いてみたくなりました^^

それでは、またよろしくお願いいたします。
次はバルカンの話になる予定です。

No title

( ノ゚Д゚)こんにちは。

誤解を招いたようで申し訳ありませんが、私はロシアの専門家ではありません。
そのような学位を取得したこともないので、ご期待に答えられないと思います。
私が知っていることはロシア人やCISの人々の動きや、感情、考え方程度のもので、地政学とかそういうのは無知です。

基本的に面白そうなコトしか知らないので、ロシアを知ることがあるならばより権威のある方々に学識を聞かれた方が、より有意義なものと考えます。

( ^ω^)トルコ人の先生とお知り合いなのですか、教授となると大学ですか?私は大学に進学しなかったのでPhD取得過程とかよくわかりませんが、思想や知識はいろいろな入り方があると思っています。
私は出身がソビエト連邦、日系ソ連人です。生まれてすぐ祖国はなくなりましたが、心はソ連製なのでしょう。自然とロシアに関する事に興味がわきました。
まあよくハリウッドで悪役にされるもんですから、「( ^ω^)おっ俺も悪役かお」と思ったりしたくらいです。

バルカンに関してはほとんど無知でロシア人と深く関係している民族。セルビア。それくらいでした。最初はベトナム、インドなど日本、ロシア間の共通の友人を調べている内にシルクロードを通ってバルカンに至ってしまい、ロシアはユーラシア全てに関係していることを知って頭を抱えましたが、影響圏の縮小とともに多少わかりやすくなったと感じます。

確かにカフカズや中央アジアは分離して考えるべきではないと思います。どちらも多民族で複雑にもかかわらず勢力圏というラインが引かれており、ロシア人からしても「誰も話さないが、常に気にしている」というものです。

トルコに関したテーマを好んだ教授方も、そこを知って欲しかったのではないでしょうか?
ロシアによって失われたかつてのオスマンの稜線、そして今、新しく勃興するイスラムにトルコは関与し続けると思います。

私はそのトルコやロシアがまた深く関与するのがバルカンだという認識を持っています。バルカン諸国民が意識したものでなく外からの、その民族の宗主国や奉戴する教義にもっとも近い人たちの力の縮図と見ています。
そこにいる人はさして重要ではなくなってきており、より大きな線引きの改訂作業のようにロシア人は見ています。

ただロシアは社会主義の盟主から崩れ落ちたおかげで得たメリットを知っていると思います。
ロシア人は「これで終わりだ、あとは好きにする、誰も気にしないさ」と言っていた事があります。
私はこれがとても重要に感じました。
もう誰も助けなくていいのです、どこの馬鹿がなにをしてもいちいち社会主義や国家に援助や救いの手を出してやる必要はなくなったことが、ここにきて効果を発揮していると思います。

かつて「友好国」に振り回された日々をロシア人は忘れていません。
EUや日本が常に「同盟国」を助ける義務を負う重さに比べると大変自由で、モスクワは実利を押し出せる状態です。
今はキプロスにせよシリアせよ権益さえ守れれば誰を助けるか選べるのがロシアの強みと見ています。

( ^ω^)ツイッターはやってますお。恥ずかしいことしかやってませんが、ロシアに関することはマジメにやったり・・・してます。それでよければ。

CISネタですがヘベラルーシのルカシェンコ大統領は後継者に7歳になった息子、コーリャを選んだとヴェネズエラで公言したようです。(; ^ω^)・・・

基地問題で話しましたアゼル、キルギス、タジクは賃上げだけは確定という(; ^ω^)な状況がロシアをぐらつかせています。

一方アルメニアは1コペイカも求めずロシア軍を駐留させる純情っぷりがロシアで引き合いに出されてました。

ロシアはカザフスタンとの防空圏統合が進み、ベラルーシも含め、防空圏の拡大がおこっています。
あとは政治的にも経済的にもあとはウクライナさえ入ってしまえばロシア大歓喜というわけですが・・・

バルカンの話、楽しみに待っています。ではまた。
     

Re: No title

>ラーダ様、

おおー、そうでしたか旧ソ連出身の方でしたか。
お話が非常に面白く、大分あそこをやりこんでいる方とお見受けしていたのですが、なるほどー。

今後も面白いお話を聞かせて頂けるとありがたいです^^

確かに…特に南コーカサスの例、アゼルバイジャンを除けば資源も何もない、ソ連という国家の枠組みのなかでのみ生きることができた国々の例を見ていると、これらのお荷物を投げ出してロシアもさぞ身軽になっただろうことは察しがつきます。
ここを再び影響下に置こうと、相手は自分の意志で独立している以上衣食住の面倒までみなくてもいいわけですし。

旧ソ連という一つの国・一つの経済圏をばらばらにしたのだから独立後やりにくいのは当然だし、またもとのシステムに戻りたがる傾向が出てくるのも当然だと思います。
西側・特に米はそのへん甘く考えて、トップと最低でも政治機構さえ切り替えればそうした諸国も西側に靡くだろうとカラー革命を後押しして失敗しましたね。

オスマン帝国領は経済の面ではもう一つの地域ではないにしても、やはり文化面で同一性があると思います。
ただ、昨今よく言われる新オスマン主義ですが、
今トルコがアルバニアやボスニアに投資していますが、私はこういう形で頭を突っ込むのはいかんと思うのですよね。
危ない上に見返りが少ない地域なのだから、紛争が起きそう・起こった場合に公平な仲裁者として政治的影響力を行使するやりかたのほうが費用対効果が高いのではないかと。

それでは、今後ともよろしくお願いします。
プロフィール

crnaoluja

Author:crnaoluja
こんにちは。
東欧地域の戦略環境分析が専門のシンクタンクで研究員をしておりますチェコ出身のエリシュカ・マジャーコヴァーと申します。

ネクロマンサーのすぴか、その一味のミルチャ・アントネスクとともに東欧情勢について御説明していきたいと思います。

ハンガリー以北(V4)+バルト三国は私、南東欧がミルチャ、地政学・戦略論など理論面はすぴかが担当致します。

文責は @crnaoluja (twitter)

ミルチャのアイコン絵はあんねこ先生より頂きました。
http://a-n-neko.tumblr.com/

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