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トルコをめぐる地政戦略、2つの記事より

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Dobry vecer!

エリシュカです。


今回はジェームズタウンとアトランティックカウンシルに掲載された論文をもとにトルコをめぐる地政戦略について書いてみたいと思います。


その前に、モンテネグロの続報。

ロシアがモンテネグロにNATO加盟についての国民投票実施を要求。
http://www.b92.net/eng/news/region.php?yyyy=2015&mm=12&dd=16&nav_id=96384

この件ロシアがムキになっているのがかなり気になります。

コトル湾やバール港使いたいという以外のロシアにとっての地政学的興味はあるのか。あるいはトルコへの圧力と合わせてNATOに対する揺さぶりの意味を持つのか。

今のところ両方だと私は考えています。


ジェームズタウンの論文に次のようなものがありました。

Putin Challenges NATO Over Turkey
http://www.jamestown.org/single/?tx_ttnews%5Btt_news%5D=44898&tx_ttnews%5BbackPid%5D=7&cHash=8f19f3d622d62944aff82d84b51ff462#.VnTCMMtunIX

タイトルの通りロシアはトルコへの圧力を通してNATOの信頼性に傷ををつけようとしているという内容です。

西側に露と武力衝突の意志がない限り、露軍と西側諸国の軍が直に接する状態になっているシリアの問題で西側は露と深刻な対立状態になることは避けようとするはず。それを見越してのトルコ利用か。

NATOが何もしないのを見越してNATOの信頼性低下を印象付けるための対トルコ圧力と見ることができるでしょう。

今のトルコはNATOにとって地政戦略的攻勢の面ではロシアのほうに食い込むうまい位置にありますが、地政戦略的防勢の面では逆に敵側(露とISIS)に向かって突出しすぎているというジレンマ。現政権がああなので攻勢のための突出部として使うにはトルコはいろいろ厄介ですね。

しかしNATOがトルコを捨てると「前線」が一気にバルカン半島まで後退する(しかもギリシアは親露傾向だしバルカン半島のど真ん中にセルビアがある)し、コーカサスから中央アジアへのアクセスも失うことになります。

そこまで考えて(ウクライナで手詰まりになっての苦し紛れではなく)シリアに手を出したのならロシアは大したもんですね。


それとアトランティックカウンシルのこの論文。

The Geostrategic Value of Greece and Sweden in the Current Struggle between Russia and NATO
http://www.atlanticcouncil.org/blogs/natosource/the-geostrategic-value-of-greece-and-sweden-in-the-current-struggle-between-russia-and-nato

やはりギリシアとロシアとの過去から現在までの結びつきと現在の親露傾向は問題視されてますね。

トルコがボスポラス海峡閉じることはないでしょうし(そもそもNATOがさせないだろうし)ロシアはギリシアを好きな時にいじれます。

トルコによる露軍機撃墜の時にはギリシアの報道は英文記事見ていた限り以前からのトルコ軍機によるギリシア領侵犯に言及していたり、チプラス首相がその件でトルコの首相をツイッターで煽ったりしてましたね。

撃墜事件前の良好な露土関係下で露のギリシアへの接近は(政治経済面で)行われていましたがあからさまに軍事的にもとなるとトルコの反発は必至ですし、あの事件に陰謀性があったとは思わないですががこの件でトルコを「屈服」させればギリシアいじりは容易になるでしょうね。うまくいけばの話ですが。


トルコがSCO(上海協力機構)に深く突っ込んでNATOと二股かけようとしてた根っこには自国の地政戦略的価値を自覚し利用してやれという意思があったでしょう。

ただ当然それ故に他国が触手を伸ばしたい相手になりやすくもなるわけでよほどの外交センスがないとやっていられないですし、現に今ああした状況下におかれています。


ちなみに、ハンガリーのブダペストに建設予定だった、トルコが出資する大モスクの計画が撤回されました。
http://hungarytoday.hu/news/hungarian-cabinet-backs-plans-allow-gigantic-mosque-built-budapest-34996

フィデスは基本トゥラニズム寄りなのですが、イスラムが絡むと欧州防衛者というアイデンティティーのほうが優先されるのでしょか。この件政府は政教分離の原則にもとる的な説明していますが。


今回はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

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crnaoluja

Author:crnaoluja
こんにちは。
東欧地域の戦略環境分析が専門のシンクタンクで研究員をしておりますチェコ出身のエリシュカ・マジャーコヴァーと申します。

ネクロマンサーのすぴか、その一味のミルチャ・アントネスクとともに東欧情勢について御説明していきたいと思います。

ハンガリー以北(V4)+バルト三国は私、南東欧がミルチャ、地政学・戦略論など理論面はすぴかが担当致します。

文責は @crnaoluja (twitter)

ミルチャのアイコン絵はあんねこ先生より頂きました。
http://a-n-neko.tumblr.com/

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