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ロシアのシリアへの軍事介入と南東欧への影響

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Dobry vecer!

エリシュカです。


矢継ぎ早に様々な事象が展開していきますが、今回はロシアのシリアへの軍事介入と南東欧への影響について書いてみたいと思います。



ロシアによるシリアへの軍事介入が始まりました。

以前から思っているのですが、欧州方面も含めたロシアの戦争目的がわかりづらい。ロシアがなにをもって成功とするのかが一向に見えてきません。

パワーが少ないほうがむやみに戦線を広げてしかも新しい場での活動のせいで余計に資源を消費するとなったら本当にロシアに首尾一貫した戦略、それ以前になにを実現したいのかという具体的なヴィジョンがあるのかという疑問がますます強くなります。

ロシアはISILではない反政府勢力のほうもふくめて攻撃している状況ですが、米露関係はおいておくとしてそれが事実なら結果的にアサド以外をまとめさせることにならないでしょうか。

ロシアの軍事介入についてアフガンを引き合いに出すのを見ますが、アフガンのときのムジャヒディンの戦争目的が国土の解放だったのに対して今回は宗教的な目的で戦う集団ですし戦争のイシューが非常に抽象的なものになります。

宗教的な目的ならばイシューは相手方の改宗・隷属。ISILについて中東専門ではないので突っ込んだことは言えないのですが、彼らの思想が過激なものならば戦争のイシューは相手方の存在そのものになり戦争は絶滅戦争の様相を呈するのではないでしょうか。ISILという組織を潰すことには成功しても構成員たちが散らばってテロ集団化する可能性があります。

宗教過激派との戦いが長引くのは戦い自体の難しさもありますが、カール・シュミットの「パルチザンの理論」で述べられていることを援用すれば、要するに彼らが相手方を絶対的な敵と認識し、戦争のイシューが相手方の存在そのものとなり、最終的に相互による絶滅戦争になるからです。

第二次チェチェン戦争で独立派・宗教過激派を無力化しチェチェン共和国人の戦争遂行意志を破砕できたのはあそこが国内のごく小さな地域だったのが大きいですし、今回は勝手が違うと思うのですが。まあ今の段階ではどのレベルまで介入するのかについては何とも言えませんが。

ウクライナから世界の目をそらすためにシリアに介入したという説は存外的を得ているのかもしれませんが、そうならシリアでは逆に西側と共同歩調をとる必要があります。しかし現在のようになっているのはそうした意図とは別なのかあるいはそう意図しているのだが思考が硬直しているのか。

しかし欧州方面視点で言えば、ロシアもタダでシリアに介入できないわけで、中長期的に見ればウクライナの現状は固定化されるかもしれませんが大規模攻勢かけられる可能性はなくなるのではないかと思います。

逆に言えばウクライナで大規模攻勢にでられないがゆえにシリアにちょっかいを出したのかもしれません。それだけの理由なら高くつきそうですが。

欧米人はシリアでのロシアの行為を非難してるの多いですが、ロシアの脅威に直面している欧州諸国の防衛担当者は今後のロシアからの脅威の配分がどうなるか考えていることでしょう。

9月26日、ロシアに「拉致」されていたエストニアの内務省員が服役囚交換の形で解放されました。
http://news.err.ee/v/politics/5cbe0a4d-b999-4f55-a8d5-375c2f090a19/kohver-released-and-back-in-estonia

服役させていたエストニアの内務省員の解放がシリア介入開始とだいたい同時期に行われたのは欧州方面ではこれ以上対立を激化させないというサインだった可能性があります。

問題はロシアのウクライナ侵攻で活発化したウクライナと沿ドニエストルのロシア人&親露的マイノリティー地域が独自の論理で動きださないかということです。民族対立は一度始まると独自の論理を持ってしまうものですがどこまでモスクワの統制が効いているのか。

それはキエフによる国内統治力についても同じです。

ただロシアがセルビアを扇動するなど欧州に対して攻勢的な政策を行うのでなくウクライナ・モルドヴァ国内の騒乱が影響するというだけなら影響を受けるのは最悪の場合でもルーマニアのみですし、ルーマニアはバルカン国ですがバルカンの主要な紛争には絡んでないので他のバルカン諸国に延焼はしないでしょう。

ここに来て、セルビアがロシアと合同軍事訓練を行うという報道がありました。
http://inserbia.info/today/2015/10/first-russian-serbian-joint-flight-drills-to-kick-off-friday/

中立というのを単にどちらか一方のみに味方しないとだけ定義するならば欧州で中立なのはセルビアのみでしょう。架け橋を自称しているが悪く言えば二股外交だし対立する双方との関係を良好なままに維持するのは難しい。情勢も変化することを考えればいつまでも続くものではないと思います。

セルビアとロシアの空軍合同訓練がこの時期というのはセルビアにとって間が悪いと思います。セルビアの2方面外交はいつまで安穏でいられるでしょうか。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

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crnaoluja

Author:crnaoluja
こんにちは。
東欧地域の戦略環境分析が専門のシンクタンクで研究員をしておりますチェコ出身のエリシュカ・マジャーコヴァーと申します。

ネクロマンサーのすぴか、その一味のミルチャ・アントネスクとともに東欧情勢について御説明していきたいと思います。

ハンガリー以北(V4)+バルト三国は私、南東欧がミルチャ、地政学・戦略論など理論面はすぴかが担当致します。

文責は @crnaoluja (twitter)

ミルチャのアイコン絵はあんねこ先生より頂きました。
http://a-n-neko.tumblr.com/

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