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はじめに。ロシアの欧州方面での地政戦略について大まかに

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Добрий день!

教祖です! 初めての方ははじめまして。

最初に、ということで、今回はロシアの現在の欧州方面での地政戦略について大まかに語りたいのですが、

露のそれは、個人的に把握しがたいものがあり、そもそも僕は露の専門家ではありませんので、現状と今後についての概観を大まかに書いてみたいと思います。

というのも、バルカンはNATO、EUの柔らかい腹であり、西側・露の東欧での角逐が激しくなれば露が手を出してくる可能性がある地域であり、露の動向について、さらにそれがもたらす東欧東部・北部方面の情勢についての把握無しにバルカンの安全保障について考えられない事態となっているからです。


これについて考察する際、もっとも困るのが露の目的です。

露はいったい東欧で、いやそもそもウクライナでなにをしたいのでしょう。

これはロシア・旧ソ連地域の専門家Mark Galeottiが露のクリミア侵攻直後に書いたものです。

Why I still don’t think Russia wants to annex the Crimea
http://inmoscowsshadows.wordpress.com/2014/03/01/why-i-still-dont-think-russia-wants-to-annex-the-crimea/

この論文の中であげられている疑問点のうちクリミアに侵攻させた兵力が少なすぎるなど当時とは情勢が変わって現在では無意味になっているものもありますが、

最大の疑問は、ウクライナ暫定政権は当初反ロシア的な明確な姿勢をとっていたわけではなく、露もセヴァストポリを使用できる権利を持っていたにもかかわらず、というものです。

さらに、もう周知になっていると思いますが、クリミアにはイスラム教徒である多数のクリミアタタールが居住しています。

わざわざ「取らなくてもいい」クリミアを、しかも大事なセヴァストポリの後ろに反露的な少数民族を抱える状態で露に併合することにどれだけの利益があったのか。

さらに、ウクライナ東部の親露派が多い地域で現在進行中の暫定政府と親露派との交戦状態、僕にはこの状態が今後改善されていくとは思われません。

露は今後どうするのでしょう。これだけの人的損害の発生と憎悪の増大・拡散が進行中の状況では、露の言う連邦制にしてみたところで、ウクライナ政府と東部の親露派との和解は無理でしょう。

ならば、露は東部に侵攻し併合するのか。その場合現地の親ウクライナ派は? 民族浄化するのでしょうか? 政治的コストは大きいものになるでしょう。

しかし、放置もできないでしょう。プーチンの支持率がクリミア侵攻後大幅に上がりましたが、それは今後ともプーチンは民族主義的で勇ましい対外政策を続けなければいけないという枷を自分にはめたようなものです。

ちなみに、露系住民の問題はウクライナだけではありません。たとえば5月2日の多数の死傷者を出したオデッサの件ではモルドヴァの沿ドニエストルからの露系住民が参加していたと報じられています。オデッサと沿ドニエストルは距離的に近いのです。さらにモルドヴァ南部には親露で「分離主義者」のガガウズ人がいます。

さらにバルト三国。エストニアとラトヴィアには露系住民がいることをご存知の方も多いと思います。彼らと二国の主要民族(ラトヴィア人、エストニア人)との中は良いものではありません。しかも、3月にラトヴィアの露系がラトヴィアのロシア連邦への加盟を求める嘆願書を出すためのネット署名が行われました。
https://secure.avaaz.org/ru/petition/Obrashchenie_ko_vsem_zhitelyam_Latvii_Sbor_podpisey_o_vstuplenii_Latvii_v_sostav_Rossiyskoy_Federacii/?twi

バルト三国はNATO加盟国です。NATOには加盟国の領土保全義務があります。露のウクライナでの動きがバルト三国の露系を元気付け、今後このような行動が多くなることになればバルト三国での事態はウクライナよりもはるかに深刻になります。そこまでの事態を招来するに見合う利益が露の今の東欧政策にはあるのでしょうか。

本当に、今の露は、理性的なプレイヤーなのでしょうか?

本当に、今の露は、長期的な戦略を持っているのでしょうか? もし仮にカッときてクリミアを取ってしまったのだとしたら今後のこの地域の情勢は空恐ろしいものになるでしょう。


以上のことを念頭に置きつつ、今後バルカンについて書いていきたいと思います。

До побачення!
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crnaoluja

Author:crnaoluja
こんにちは。
東欧地域の戦略環境分析が専門のシンクタンクで研究員をしておりますチェコ出身のエリシュカ・マジャーコヴァーと申します。

ネクロマンサーのすぴか、その一味のミルチャ・アントネスクとともに東欧情勢について御説明していきたいと思います。

ハンガリー以北(V4)+バルト三国は私、南東欧がミルチャ、地政学・戦略論など理論面はすぴかが担当致します。

文責は @crnaoluja (twitter)

ミルチャのアイコン絵はあんねこ先生より頂きました。
http://a-n-neko.tumblr.com/

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