スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

セルビア・クロアチア関係、ギリシア新内閣とドゥーギンの関係

sabun1.jpg

Dobry vecer!

エリシュカです。


さて…

長年に及ぶ、ICJでのクロアチアとセルビアとのジェノサイド認定合戦が痛み分けで終わりました。

http://www.cnn.com/2015/02/03/europe/croatia-serbia-genocide/index.html

何もなかったとは言わないがジェノサイド認定するまでには至らない、という判断です。

クロアチアのヨシポヴィッチ大統領は不満とし、

http://inserbia.info/today/2015/02/croatian-president-dissatisfied-with-icj-judgment/

セルビアのニコリッチ大統領は今回の判断ではジェノサイドではなくてもクロアチア側による大規模犯罪行為は認められたとしています。

http://inserbia.info/today/2015/02/nikolic-icj-confirmed-croatia-committed-mass-crime-against-serbs/

この件について、もっとも不満を持っているのはボスニアのスルプスカ共和国大統領ドディクです。

http://inserbia.info/today/2015/02/dodik-icj-leaves-sense-of-injustice-genocide-against-serbs-committed-in-croatia/


今回の判断においてどれだけ政治的な要素があったのかは専門外なのでコメントはしません。

しかし、この時期にICJがジェノサイド認定の判断を下さなかったことはバルカンの安定にとっては資するものであったと思います。

現在セルビアとクロアチアの関係は、以前のエントリで書いたように悪化しています。

今のところ二つの事象が偶然に重なってしまっています。

一つは、ICJがシェシェリの帰還を健康上の理由で認めたこと。

もう一つは、戦犯として服役中だったグラーヴァシュの再審判決をクロアチアの憲法裁判所が出したこと。


このグラーヴァシュの件については私はかなり悪い予感がします。

グラーヴァシュは地元の東部スラヴォニアの中心都市オスィエクに戻り、地元から歓迎を受けました。

http://www.balkaninsight.com/en/article/branimir-glavas-returns-to-croatia

ヴコヴァルをはじめ東スラヴォニアではクロアチア人とセルビア人との関係は悪く、セルビア人の使用するキリル文字の問題やシェシェリのヴコヴァル解放発言など良くない要素が多いうえに、

オスィエク市民のこの歓迎ぶりをみると、グラーヴァシュの影響力の復活とそれが東スラヴォニアにもたらす悪影響について考えてしまいます。


こうした不安定材料はセルビア・クロアチア・ボスニアのみにとどまりません。

コソヴォではアルバニア人によるセルビア人閣僚辞任要求とセルビアとの領土問題(この件についてはのちほど詳しく書きます)、

さらに前のエントリで書いたギリシアの親露姿勢です。

活発に報じられているのが、ツィプラス新首相とロシアの右派論客であるドゥーギンとの密接な関係です。

http://www.rferl.org/content/greek-syriza-deep-ties-russian-eurasianist-dugin/26818523.html

http://anton-shekhovtsov.blogspot.jp/2015/01/aleksandr-dugin-and-syriza-connection.html

さらに、カメノス新国防相はロシアに招待され近く訪問することを発表しています。

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150204-00000009-biz_reut-nb

アテネに近いピレウス(ペイライエウスと言ったほうが通りがいいかもしれません)港の中国企業への売却撤回についてロシアの影響があるのか否かについては詳しいことはわかりません。


セルビア、スルプスカ共和国とクロアチアの関係、セルビアとコソヴォとの関係、サンジャク問題と潜在的不安定要因とつながるセルビアへの影響力に加え、ギリシアとのこうした関係は西側も懸念を持っています。

ただ今のところギリシアは、どうもインドのように西側とロシアとを天秤にかける外交を展開しようとしているように思えます。

例えばロシアからの財政支援を受けないことを西側に表明しています。

バルカンはデリケートな地域だけに、ギリシアのような不安定が国にできたばかりの新政権がこのような政策を行うことに懸念を感じずにはいられません。


ロシアのバルカンへの触手は、ブルガリアにも伸びているようです。

ブルガリアのネンチェフ国防相は、ロシアがブルガリアについて戦争を準備しているという不穏な嘘情報を流していると非難しています。

http://www.novinite.com/articles/166308/DefMin:+Russia+Spreading+Rumors+of+'War+Preparation'+in+Bulgaria

これは、政府が西側寄りなのと対比してブルガリア国民と右派には伝統的な親露感情があることを利用した、ブルガリア国内の不安定化を画策したものなのかもしれません。

ただ、地政学的にブルガリアがロシア寄りになることはないでしょう。

ブルガリアはその偏執的なマケドニアへの固執により、常にギリシアと競合関係にあります。

二度の世界大戦では、マケドニアの併合を約束する中欧諸国側についています。

ロシアにとってはギリシアのほうが地政学的に重要であり、ギリシアとブルガリアがそろって親露陣営につかない以上、ギリシアのほうを選択することになると思います。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

---------------------------------------------------------

管理人への執筆依頼などはこちらの連絡先でお受けいたしております。 http://seeuro.com/?page_id=10
スポンサーサイト
プロフィール

crnaoluja

Author:crnaoluja
こんにちは。
東欧地域の戦略環境分析が専門のシンクタンクで研究員をしておりますチェコ出身のエリシュカ・マジャーコヴァーと申します。

ネクロマンサーのすぴか、その一味のミルチャ・アントネスクとともに東欧情勢について御説明していきたいと思います。

ハンガリー以北(V4)+バルト三国は私、南東欧がミルチャ、地政学・戦略論など理論面はすぴかが担当致します。

文責は @crnaoluja (twitter)

ミルチャのアイコン絵はあんねこ先生より頂きました。
http://a-n-neko.tumblr.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。