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難民問題がセルビア・クロアチア関係に及ぼした影響

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Dobry vecer!

エリシュカです。


よおおおおおおやく、バルカン半島での難民問題の影響の大まかな形が見えてきました。

正直のところ私はこういう形で南東欧諸国の関係に影響を与える事態が起きるとは思っておらず、

またバルカンでは問題は南から起きると思っていましたので、難民問題がハンガリー国境地域で問題を起こすとは予想していませんでした。

それで記事を書くタイミングを計りかねていたのですが…


とりあえず、固まってきたとはいえまだ流動的ですので、今回はセルビア・クロアチア関係のみとりあげて、おおまかな概観を書いてみたいと思います。

細かいところは今後のエントリで逐次書いていきます。



難民が南東欧に到来してから事態が比較的長期にわたり流動的になっていましたが、ドイツが国境検問を再開して以来状況が固定化してきました。

ドイツの決定により正当化されたかの如くハンガリーがセルビアとの国境警備を強化し、フェンスの向こう側の難民に対し放水銃などを使用する事態となり、難民の流れがクロアチア方面に変わりました。

クロアチアは当初難民受け入れに積極的な姿勢を示していましたがすぐに態度を変え、セルビアとの国境にある検問所を一か所のみ残して封鎖し、そのうえセルビアの通行許可証保持者あるいはセルビアナンバーの車両を国境で足止めするという過剰ともいえる措置を取りました。

この件でセルビアが反発し、両国関係が悪化する事態となりました。EU側がクロアチアに態度の変更を促すなど働きかけ、今現在国境は再び開かれています。

私が南東欧における難民問題の影響としてもっとも危惧していたのは、難民の押し付け合いなどでバルカン諸国同士が持つ潜在的な敵意が増幅されてしまうことでした。

今回セルビアはクロアチアのとった措置に対し強硬に反発しましたが、実際にはセルビアの難民問題を悪化させたのはハンガリーの政策ですし、また先ほど述べました国境での騒動でハンガリー警察がセルビア領に向けて放水銃などを発射し、セルビアは抗議したものの関係悪化は望まないという方向で両国が合意しました。クロアチアに対する反応とはだいぶ違います。

クロアチアのとった措置も過剰ですが、セルビア側の反応も過剰だと思われるところがありました。

クロアチア・セルビア関係は、今までのエントリで書いてきたように、今回の件までにすでに悪化していました。

難民問題がどういう形でか解決されたとしても、セルビア・クロアチア関係にもたらした悪影響はぬぐうことはできないでしょう。

今後も両国関係は予断を許しません。

ドイツをはじめセルビア・クロアチアの周辺国が国境検問を再開している以上、ドイツ行きを希望する難民がここに留まることになり問題はなに一つ解決されていないからです。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!
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クロアチア、戦犯に対する判断が覆る

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Dobry vecer!

エリシュカです。


こちらも間が空いてしまい申し訳ありませんでした!

中の人が12月初旬から中旬までノロで倒れていたのと、露の経済危機の影響について考えがまとまらなかったからです。

さらに中国のこの地域への経済的進出、中国の動向は専門外なのでここを考えることにも時間を使ってしまいました。


今回は、筆慣らしに簡単な話題を。

クロアチアの憲法裁判所は戦犯グラーヴァシュ(ボスニアで8年の懲役刑に服役中)に対する最高裁の判決を覆した。
http://www.b92.net/eng/news/comments.php?nav_id=92838

ブラニミル・グラーヴァシュはクロアチア独立を主導したHDZの設立者の一人で、

東スラヴォニアのオスィエク地区の司令官として戦った際にセルビア人に対し残虐行為を行ったとしてクロアチア国内で(当時国会議員でしたが)2005年から調べが始まり2010年最高裁で8年の懲役刑が言い渡されました。

このあたりがわかりづらいのですが、彼はボスニア国籍も持っていたこともありボスニアのボスニア連邦(つまりクロアチア人・ボシュニャク人主体の地域)モスタルで服役中でした。

1995年にクロアチア内戦が終わってから2005年まで何事もなく政治家人生を歩んできたのですが、

EU加盟のためにこの人物の存在が厄介になってきたこと、さらにHDZ内の権力闘争もあったと思います。

こうしたことだったのだが、EU加盟は果たしたしもういいということなのでしょうか。


この事態の進展によっては、気になるのはセルビアの反応、セルビア人の感情の悪化です。

ただでさえ、ハーグから療養を理由に返されているシェシェリのヴコヴァルについての言動などにより、現在クロアチア・セルビア関係は非常に悪いです。

クロアチアはセルビアのEU加盟を認めないとまで言っており、

この件でEUが対応を間違えるとセルビア国民のEU加盟意欲がさらに減退し露の浸透がより深くなるのではないかと思われます。

西側が間接的に支援したクロアチア政府軍による1995年のセルビア人勢力潰し(嵐作戦)の指揮をとったアンテ・ゴトヴィナ将軍は、

セルビア人に対する残虐行為のかどでハーグで審理を受けましたが無罪放免となってこのときもセルビア人の西側に対する感情は悪化しました。

まだシェシェリはセルビアにいる予定であり、
http://www.b92.net/eng/news/crimes.php?yyyy=2015&mm=01&dd=13&nav_id=92847

セルビア・クロアチア関係のさらなる悪化が予想されます。


ちなみに、これはクロアチアがEU加盟前からスロヴェニア等隣接国と査証なし渡航協定を結んでいたからなのですが、ルーマニア・ブルガリアよりも早くシェンゲンの壁の中に入りそうなのですよね。

EC加盟国だったギリシアは置いておくとして、これら二国から見るとカトリック圏と正教圏で区別してる印象を受けるかもしれません。


ともあれ、西側はそろそろセルビアに対し敗戦国扱いをやめないと露の浸透を許してしまうだろうというのはこのブログでも以前から言ってきたことです。

西側もそのあたりはやっと理解してきたようですが、上記の件に加えてコソヴォのハシム・サチのセルビア人臓器売買疑惑、さらにコソヴォからのセルビア人難民の帰還問題にも意欲的に取り組むべきなのではないでしょうか。


露の浸透は予想以上に進行しているようです。

この記事では、「プーチンのオーケストラ」というセルビア国名の親露派についての言及があります。
http://www.neweasterneurope.eu/interviews/1360-the-russification-of-serbia

http://issat.dcaf.ch/Home/Community-of-Practice/Resource-Library/Other-Documents/Putin-s-Orchestra


今日はこんなところでしょうか。

それでは、それでは、Dobrou noc! Na shledanou!

小話

anica2


Picka ti materina!

アーニツァだ。


おうふ

ずっとニュースサイト見てるんだが書くネタ見つからんなぁ

コソヴォ北部のセルビア人が住民投票言い出してる件については今まで進展なし。

ミリヤナ・マルコヴィッチ(故ミロシェヴィッチ夫人)帰還のニュースはあるが私はもうこの人に興味は無い。


このブログの趣旨ではないが、ちょっとした体験談でもするか。


クロアチアの首都ザグレブはいい街だと思う。

小ウィーンなどとも呼ばれているが、ジャーナリストのミーシャ・グレニー氏が書いているように、ハプスブルク朝支配下の街によくある謎めいたところがなく、全ての路地にまで陽光が差し込んでいるようなところだ。

カプランはザグレブには雨が似合うと書いているが、私はそう思わない。


ザグレブに行ったら、まああそこまで足を延ばすことは無いと思うが、

気まま旅が好きな人で縦横に走るトラム乗りまくることを考えている人は、ドゥブラヴァ(Dubrava)という地区には行かないほうがいい。

あそこは地元の友人によれば、ドヤ街だ。


もう大分前の話だが、

ドゥブラヴァのあるパブで事件があった。

男がパブの歌手に恋慕したのだが、歌手は相手にせず。

で、男がキレて、歌っている歌手を拳銃で撃った挙句客席に爆発物を投げて逃走

そんな記事が新聞に載った。

その記事には、呼吸器をつけられてベッドに横たわる意識不明の男の写真。

誰でも、直感的にこの男は被害者だと思うだろう。

ところが、この男が犯人だったのだ。

逃走しようとしたところ、パブのオーナーのオヤジに捕まって意識不明になるまでボコられたらしい。


こういうところだ。

あれから状況は改善しているのかもしれんが、

これからザグレブに行く人は、地図で確認して見て欲しい。

あと、観光案内には大抵載っている、バン・イェラチッチ広場の裏側のドーラッツ市場。

ここについて話を聞いたのも大分前だが、

当時はここはスキンズ系がよくいるところなので注意しろと言われた。

ここについては頭の片隅にでも入れるくらいでいいかな。


それでは、今日はこんな記事ですまん。

Laku noc i Do vidjenja!

テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

プロフィール

crnaoluja

Author:crnaoluja
こんにちは。
東欧地域の戦略環境分析が専門のシンクタンクで研究員をしておりますチェコ出身のエリシュカ・マジャーコヴァーと申します。

ネクロマンサーのすぴか、その一味のミルチャ・アントネスクとともに東欧情勢について御説明していきたいと思います。

ハンガリー以北(V4)+バルト三国は私、南東欧がミルチャ、地政学・戦略論など理論面はすぴかが担当致します。

文責は @crnaoluja (twitter)

ミルチャのアイコン絵はあんねこ先生より頂きました。
http://a-n-neko.tumblr.com/

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